本学の特色
教育課程(カリキュラム)
本学の教育課程は、所属する専攻・専修・履修分野によって異なりますが、いずれの専攻・専修・履修分野の学生も卒業と同時に教育職員免許状(一種)を取得します。そのため、学生は、本学が定めている「 新任教員に求められる資質能力目標に基づく教員養成のためのカリキュラム・フレームワーク」を通じて、各授業科目から何を学び、どのような資質能力を身につけたかを自覚しつつ、教員として必要な能力を身につけていきます。
全学生が履修する「共通科目」には、教養科目、外国語科目、日本国憲法、教員としてのICT活用能力の基礎を習得する情報機器の操作等があり、特に教養科目ではESD(持続可能な開発のための教育)を主題とした科目を必修とし、奈良の世界遺産・文化遺産を核としたESDの普及と「持続可能な社会の創り手」を育てることのできる教員養成に努めています。
このほか、学校現場の諸活動を体験することにより実践的指導力の基礎を培うことを目的とした科目や、子ども達の効果的な学習 を促す板書力を修得するための科目等があり、中等教育履修分野では、各教科の学問的内容と教科性に基づいた授業構成を行うた めに必要な知識と技能を習得するための「複合科目」を開設しています。
入学後は、所属する専攻・専修・履修分野ごとに、取得予定の教育職員免許状の種別・教科に応じたカリキュラムを履修し、3回生 では「 教育実習」、4回生では、それまでの学習履歴を振り返り、教員としての資質能力が身についているかを確認し、不足している 部分や課題があれば補完的な指導を行う「教職実践演習」を履修します。また、4年間の学修結果の集約として、4回生で卒業論文を作成します。なお、学生の幅広い学びに対応するため、理数に関する教科の専門性を強化するプログラムやESDティーチャーを養成する各種の 特色プログラムを設けています。
特色のある授業・取り組み
奈良教育大学では教員を目指す学生が、より早い段階からより長期にわたって現場経験を積むことができるように、教育実習とは別に体験型学習支援「スクールサポート研修・ 認証制度」を実施しています。各教育委員会と連携を取りながら、学生を「スクールサポーター(学校活動支援ボランティア)」として学校現場に送り出すと共に、「スクールサポーター研修会」を開講し、修了した者には「スクールサポーター2級」、「スクールサポーター1級」を認証しています。また、「スクールサポーター2級」取得者(見込者を含む)を対象に、自由科 目として「学校支援実践」を開設しています。この科目では学校支援活動に従事し、現場での経験を通して学校の教育活動や課題の理解を深めることができます。
奈良教育大学では、理科・数学(算数)に強い教員の養成 に力をいれており、理数教育研究センターにおいてSST(Super Science Teacher)養成プログラムを実施しています。数学・理科の教員免許取得予定者を対象としたSSTコースと、それ以外の小学校教員免許取得予定者を対象としたSSTベーシックコースの2種類を開設しているため、専修にかかわらず参加が可能です。先端科学の成果に触れることや、論理・抽象的思考力を向上させる少人数ゼミナール、実践的な教材・カリキュラムの開発、教育現場での実践的活動などによって、理数科教育の救世主として活躍できる教員の養成を目指します。
SDGsとは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略で、環境問題や貧困、紛争、自然災害など様々な地球的課題の解決策が世界中で進められています。このような課題を自分事として捉え、その解決に参加・参画していく人を育てる教育がESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)です。奈良教育大学では、近畿ESDコンソーシアムを組織し、近畿地方を中心に学校教育・社会教育の分野でESDの普及・推進に取り組んでいます。その取組の中核がESDティーチャープログラムです。学生 と現職教員が一緒になってESDを学び、所定の要件を満た すことで、学長よりESDティーチャーの認定証が授与されます。これまでにESDティーチャーに認定された学生数は18名、現 職教員数は53名です(いずれも2016年度〜 2018年度、3年 間の合計)。ESDティーチャープログラムには、ESD関連の科目履修の他に、学校現場や地域で展開されている取組へのボランティア参加(ESD実践)、授業以外にSDGs・ESDに関する講演会や研究会に参加して学ぶESD演習、現職教員と協働的に学ぶESD連続セミナーなどが用意されています。「ESDティーチャー認証制度」があるのは、奈良教育大学だけです。奈良教育大学でESDを学び、一緒に持続可能な社会の実現を目指しましょう。
奈良の特色である文化財・文化遺産を対象としながら、中学校・高等学校での教育内容・方法を豊富化できる教員・教育者となることを目指すプログラムです。日本や源流としてのユーラシアの文化遺産に接し、実技も交えて文化遺産の材料・技法を体得し、また文化遺産を形づくる材質とその科学的調査法を学んで、地域に即した文化遺産調査、さらに ESDの視点を活かした教材化の試行へとつなげます。文化遺産教育専修以外の学生も参加可能です。
奈良教育大学では、京都教育大学・大阪教育大学と連携して、テレビ会議システムやタブレットパソコン等を活用した双方向遠隔授業を実施しています。本大学にいながら同時に各大学の特色ある授業を受講できるというメリットがあり、他の2大学の学生と授業を通じて交流を深めることができます。京都・大阪・奈良の三教育大学は、この授業を通してより高度なICTスキルを持った教員の養成を目指しています
教員をめざす学生のために、いろいろな活動を通して実際に子どもたちとふれあい、実践的指導力の基礎を身につけることを目的とした教育プログラムを実施しています。2019年度は、4つの事業が行われています
- ・書道を楽しもう
- ・飛行コンテスト
- ・わくわくアートプロジェクト
- ・キッズ・サウンドラボ・アートプロジェクト