微分方程式論の一端を覗く-自由落下運動と2次元点渦系を例に-(高橋 亮 著) -奈良教育乐竞体育_乐竞体育app下载-官方网站 出版会-
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各点渦をディラックのデルタ関数で記述します。 2次元点渦系は、2次元空間に点渦を散りばめて、各点渦の挙動を記述する微分方程式です。ここでは数式の記述を省略しますが、各点渦はお互いに作用しあい、点渦が十分多くあるとカオス現象が発現し、非常に複雑な挙動を示すことがわかっています。したがって、興味があるのは点渦が十分多くある場合です。そこで、点渦の個数を無限大に近づけるとどうなるか、という疑問が生じます。この極限操作で得られる微分方程式はいくつか提唱されています。著者が研究している微分方程式はそのうちの一つですが、若干複雑なので、ここではこれまでによく研究されている平均場方程式を紹介します。それは次のように記述されます。 (4) ここで、(4) にあらわれた記号の説明をします。 は未知関数で、流れ関数とよばれるものです。 は独立変数で、2次元の座標と考えて差し支えありません。 は逆温度とよばれる物理量に関連した正定数(またはパラメータ)です。 は高校数学の数学Ⅲで学習するネピアの数です。 は2次元上の領域で、 は の境界をあらわします。 は 上の積分をあらわします。 “in ” は “ に対して”、 “on ” は “ に対して” と解釈します。 はラプラシアンとよばれる微分作用素で、次のように定義されます。 (5) ただし、 は偏微分とよばれるもので、次のように定義されます。 (6) (1) と (6) が類似であることに注意すれば、(6) の第一式、第二式はそれぞれ での の 方向の瞬間変化率、 での の 方向への瞬間変化率をあらわしていることがわかります。したがって、(5) の右辺は を について2回偏微分したものと を について2
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