ところや少ないところをつくり、密集させるところと簡素にするところを考えます。「ひらがな」と「変体仮名」を使えば、画数を調整して画面に粗密の変化を加えることができるのです。 4.変体仮名の使い方を知ろう 「ひらがな」と「変体仮名」で画面に粗密の変化をつくっていくことが分かれば、自由に作品をつくることができます。変体仮名を知らなくても、それを簡単に調べる字典や本もあります。ここでは実際に、いろんな仮名の使い方を紹介しましょう。 例えば、私の名前(きたやまさとか)を仮名書道で表現したいと思います。これまで見てきた『関戸本古今集』には、多くの種類の文字があるので、参考にします。組み合わせを参考にするために、数文字を一緒に探します。 さっそく「きた」という組み合わせを1か所発見しました。簡単に見つけられる方法がありますが、今は省略します。変体仮名を覚えていなくてもできるわけです。図6は、「き堂」と表現していて、「た」はひらがなよりも画数を多くしています。「やま」は10か所以上ありますが、私の好きな表現を図7に挙げます。「や」はひらがなばかりですが、最終画の長さや1画目の形が異なっています。「ま」はひらがなの他に「万」を使っています。因みに、「やまさ(や万佐)」と「やまさと」という部分を見つけました(図8)。これらもおもしろい表現です。さらに「さと」と、「とか」を見つけました(図9)。「さと」は左から、ひらがなのみのものが2つ、「佐と」「佐東」「乍東」、「とか」はすべて「と可」です。組み合わせを挙げていない「たや」「まさ」なども見てみるともっといろんな組み合わせがあることが分かります。 図6 図7 図8 図9 「さと」「とか」
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