や太さ、さらには筆につける墨の量なども調整できるということです。それぞれのピースを、ぴったりとはめ込むために、自分で工夫して磨きあげるのです。すると完全オリジナルジグソーパズルができあがります。 最後に、私の仮名作品を紹介します(図15)。これは縦70センチメートル、横180センチメートルの紙に書いたものです。数年前に書きました。内容は、短歌1首「ふりつみしたかねのみゆきとけにけりきよ滝川の水の白なみ」です。このように字数が多い場合には、自分がカッコいいと思う字を活かすための組み合わせを考え、カッコいい字が目立つように、周囲の仮名を集めます。一度組み立てても、1字変えると他の組み合わせが気に入らなくなって、結局すべて組み合わせをし直すこともあります。またこの作品は、1字1字が大きく、画数が少なすぎると寂しくなるので、敢えて画数の多い変体仮名を多用しています(「清(きよ)」「水」は漢字です)。 仮名はジグソーパズルのように、ピタッと組み合わさると、達成感があります。完成予想図は存在しないはずなのに、それに達したように感じるのです。そして、一度できた作品でも、またピース(仮名)を変えれば全く違う雰囲気のものとなり、それもまた完成形であるように感じることがあります。よりカッコいい完成に出会うために、日々新しいピースを探します。だから仮名書道はおもしろいのです。 図15
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