く発音することになります。するとどうでしょう。先述した説明と真逆の事が起きてしまいます。日本語を美しく歌うことを優先するのであれば、「は」は弱めず言葉を立て、「る」を強くしすぎず軽く発音する工夫が必要です。また、旋律の高低が逆になっていることにも注意しましょう。 4.三つ目の罠「助詞」 日本語の助詞は強めて発音しない方が良いと言われています4)。自分の知っている歌で良いので、助詞を強めて歌ってみてください。歌が全体的に稚拙に聴こえませんか。では助詞を力まず歌ってみるとどうでしょう。違いがわかると思います。私の経験上、「が」「は」のような母音がaで発音される助詞の場合、母音自体が響きやすいので、助詞が大きく聞こえてしまいがちです。よく注意しましょう。 5.おわりに 日本語を歌うときの罠について、特性を例に簡単に3つ述べてきました。 もちろん大切なことは他にもたくさんありますが、これは私自身が歌う際に最も心掛けていることです。今回紹介した「罠」を知ることで、歌うことや聴くことがより一層楽しく感じられるでしょう。そして、その先にある自分なりの解釈をまた探してみてください。 参考文献 1)大賀寛(2005)「概論」『解説付?日本歌曲選集1』全音楽譜出版社,p.9 2)同上,p.11 3)大賀寛(2014)「第四章日本語唱法」『?心を伝える日本語唱法?美しい日本語を歌う』カワイ出版,p.75 4)武田雅博(2015)「第3章日本語が美しく聞こえる歌い方」『必ず役立つ 合唱の本 日本語作品編』株式会社ヤマハミュージックメディア,p.47
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