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奈良実習園の栽培植物 自然環境教育センター

自然環境教育センター

作物

生産している主な品種はアサヒモチとヒノヒカリであるが、その他品種別栽培田には次のような品種を見本(採種)栽培している。

農林8号、農林17号、農林18号、農林22号、農林29号、藤坂5号、タチカラ、シラヌイ、センダン、ホウヨク、トワダ、トヨサト、アメリカ産ドーン、フィリピン産IR-24

古代米-赤米と黒米

 江戸時代までは日本でも相当栽培していた赤米や黒米を栽培している。これは1986年から栽培し続けているもので、シコクビエと共に「古代作物園」を構成する。

 赤米は現在多く栽培されている稲に比較して、草丈が高く1m以上になる。出穂すると褐色をおび、多くは芒が長いので見て分かる。籾は普通の稲よりも色が濃く、赤みを帯びているが、玄米にすると普通米と区別がつかないものもある。

 赤米はどんな土地でも良く育ち、籾の生命力も強い。奈良時代の記録にもあり、また神事に利用され今日まで伝えられていることから、古代米は赤米であろうと言われているが、当時赤米だけが栽培されていたのかどうかは定かでない。

今日の、アズキを入れて炊く「赤飯」が、かつての赤米を食べていた習慣の名残とも言われている。江戸時代においては赤米は年貢にならなかったと言われているし、明治以降、米が政府の管理下におかれてからは、赤米が混じったものは評価が低かったので、急速に栽培されなくなったと言われている。

 唐法師(大唐米)も古い文献によく出てくる米で、少し赤みを帯びているため赤米と呼ばれていたこともある。早稲の品種で収量が多いため、江戸時代には全国的に栽培されたようだが、現在では殆ど絶滅している。

 その他、黒米や香米(においまい?かおりまい)も栽培している。香米は文字通り匂いを発し、古米に少量混入して炊くと新米のように良い匂いとなる。単独で炊くと、ネズミの尿のような匂いになるため、鼠米とも呼ばれる。これも明治時代までは広く栽培されたが、現在では失われている。

?赤米
   岡山県総社市国司神社赤米-長芒,籾?玄米共に赤み
   対馬豆酸多久頭神社赤米-長芒,籾?玄米共に赤み
   種子島赤米-長芒,籾?玄米共に赤み
   種子島宝満神社赤米-長芒,籾は殆ど赤み無いが玄米には赤み
   大唐米-長粒、インディカ系,芒がほとんどない。籾?玄米共赤み

?黒米
   中国西安黒米(もち)-インディカ系,長粒,芒無し,玄米黒色
   談山神社黒米(もち)-ジャポニカ系,籾は暗褐灰色,玄米は色無し

?香米-ジャポニカ系,香り,籾赤み,玄米は色無し

綿

 アオイ科の繊維植物で1年生草本。日本では昭和初期までは盛んに栽培されたが、今は殆ど栽培されなくなっている。しかし、綿は衣料を中心にわれわれの生活の中には深く浸透している。最近は小?中学校で綿を栽培する先生が増えて来ており、 そのための種子の需要にこたえている。

サツマイモ

 主たる品種は「鳴門金時」。学生の実習や、幼稚園?保育園のいも掘りに利用している。中国から琉球をへて薩摩の国に伝えられたことから薩摩芋の名がついている。

ジャガイモ

 「ダンシャク」という品種は気象条件が良ければ果実をつける。

果 樹

 約7アールに梅?柿を数本づつ栽培している。