10月〜11月に黄色い花を咲かせる北アメリカ原産の帰化植物。
急速に日本に広がったのは第二次世界大戦後だそうです。高さ1.5〜2mくらいにまで成長するため、まさに「せいたかのっぽ」です。
河原や空き地などで大発生しているのをよく見かけます。川の中州で一面に黄色い花を咲かせながら、風にゆられ揺れている姿はすごく雄大です。
それにしてもなぜ大発生するのでしょうか?
セイタカアワダチソウは、地下茎から「アレロパシー物質」という種子の発芽を抑制する物質を分泌します。このため、他の植物は種子が作られても、発芽することが抑制されているので芽を出し殖えることが困難になります。
「種が芽を出すのを邪魔するんだったら、本人の種はどうなるの?」と、考える人も多いと思います。実は、セイタカアワダチソウ本人の種子も他の植物と同じで、自分が分泌するアレロパシー物質によって発芽抑制されてしまいます。
けれども、ご心配なく。セイタカアワダチソウは、地下茎を伸ばし繁殖するために、種が芽を出せなくとも繁殖にはあまり差し支えがないのだそうです。何ともすごい…。感心してしまいます。
よく群生している姿が見られるのはこのためです。どうやって生き残るか、繁殖のためのすごい策略だと思いませんか?。
このように、大群落を形成して他の植物に影響を与えているとか、花粉アレルギーの原因になるとかいわれてマイナスイメージがついてしまっているセイタカアワダチソウなのですが、一度じっくりと花を見てください。実はとってもきれいなんですよ。1cmにも満たない小さな花が、たくさん上を向いて咲いています。
セイタカアワダチソウの群落に後ろから夕日が当たっていたりなんかすると、何とも言いようがなくきれいです。
それだけでなく、蜜を多く分泌するため、蜜源植物として優秀だそうです。蜜を取るために盛んに種子散布がされ、全国各地に広がったともいわれているそうですが、それが今では厄介者扱いとは、何だかかわいそうです。
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