今月の『奈教の授業』では、「中等教科教育法III(美術) 」を紹介します!
〈講義の基本情報〉
?対象学年:3回生(前期)
中学校?高等学校 (美術)免許取得必修科目
?受講者数:14~16名
中学校美術科?高等学校芸術科(美術)の内容を把握し,題材試作をふまえた表現領域の学習指導案の作成ができることを目的としています。生徒の立場や目線を意識して参考作品を制作し,授業の構想を練っていきます。
中高生向けの授業づくりですので,美術史上の内容をふまえて鑑賞分野の活動につなげるために『20世紀の美術』(美術出版社)をテキストの一つにしています。
また,生徒の視線を養う意味で,題材試作に力を入れています。「モダンテクニック演習をふまえた平面参考作品と学習指導案の作成」では,刷毛やローラーを用いて,思い切った表現をした上(図1)で,授業展開を考えます。事後に,シュールリアリズムの作家の表現,エリック?カール(1929-2021)やレオ?レオニ(1910-1999)の絵本の表現と比較する機会も持っています。
図1 「刷毛で思い切りデカルコマニー」―モダンテクニック演習
「針金心棒づくり演習をふまえた立体参考作品と学習指導案の作成」では,芯棒でイメージを練り(図2),動きのある人(剣道)をつくりながら(図3),学習指導案を作成し,受講生が生徒役になって模擬授業をします(図4)。事後には,討議会を開き,よかった点,改善点などを話し合い,まとめをします。生徒役の受講生も,「他人の振り見て我が振り直せ」の精神で自分のこととして考え,教育実習などの授業に繋げます。
図2 「どうやって動きを出そうかな」―芯棒をつくり,ポーズを考える
図3 「エイヤー,胴 一本」―加工粘土をつけ,彩色
図4 「真剣です」―宮本 湧平さん 受講生相手の模擬授業で奮闘
実際に手や体を動かしながら美術の<面白さ>と<難しさ>を実感し,授業づくりを行います。3回生の6月~10月に行う教育実習で自信を持って臨めるようにしたいと考えています。
※中学校?高等学校<美術>免許は,小学校の図画工作科専科教員(図画工作を専ら教える先生)の基礎資格としても有効です。
※この記事は、2021年6月現在の情報をもとに作成されています。
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